栄養学の観点からたんぱく質の働きや多く含まれる食品や吸収・効率アップする食べ方を紹介!賢い食事で薬いらずの体をつくりましょう
数多くある「栄養素」の体内での働きや効果的な取り方を解説します。
私たちの体に欠かせない栄養素についてよく知りましょう。
たんぱく質はどんな栄養素なのか?栄養の働き基礎知識
たんぱく質は筋肉や臓器皮膚など、体の主成分として重要な栄養素です。
たんぱく質は体内で酵素やホルモンの材料にもなります。
たんぱく質はアミノ酸の結合体
タンパク質はアミノ酸が多数結合した高分子化合物です。
アミノ酸の種類や並び方によって異なる構造(約100,000種類あると言われる) になり、それらが集まって体を形成します。
これらたんぱく質は全てDNAなどの遺伝子の情報に従って結合されています。
たんぱく質は体内で合成と分解を繰り返す
体内のタンパク質は合成と分解を繰り返しています。
タンパク質は分解されるとアミノ酸になり、体内でアミノ酸は再利用されて必要なタンパク質に生まれ変わり、古い組織が新しく作り替えられます。
タンパク質の一部は排出されるため、不足分は新たに食品から取る必要があります。
年齢、男女別のタンパク質の1日の摂取基準は?
妊娠中期は+10、後期は+25、授乳婦は+ 20を目安にしましょう。
年齢 | 男性 | 女性 |
---|---|---|
0〜5ヶ月 | 10g | 10g |
6〜8ヶ月 | 15g | 15g |
9〜11ヶ月 | 25g | 25g |
1〜2歳 | 20g | 20g |
3〜5歳 | 25g | 25g |
6〜7歳 | 35g | 35g |
8〜9歳 | 40g | 40g |
10〜11歳 | 50g | 50g |
12〜14歳 | 60g | 55g |
15〜17歳 | 65g | 55g |
18〜29歳 | 60g | 50g |
30〜49歳 | 60g | 50g |
50〜69歳 | 60g | 50g |
70歳以上 | 60g | 50g |
タンパク質が多く含まれる食品は?
タンパク質を多く含む食品を比較表でまとめて紹介(100グラムあたり)
肉類
肉類のたんぱく質 | 100gあたり |
---|---|
鶏ささみ | 23.0g |
豚ヒレ肉 | 22.2g |
鶏胸肉(皮なし) | 23.3g |
牛もも赤身肉 | 21.9g |
大豆製品
大豆製品のたんぱく質 | 100gあたり |
---|---|
生湯葉 | 21.8g |
納豆 | 16.5g |
米などの穀類
穀類のたんぱく質 | 100gあたり |
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そば(乾めん) | 14.0g |
マカロニ・スパゲッティ | 12.2g |
チーズ
チーズのたんぱく質 | 100gあたり |
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パルメザンチーズ | 44.0g |
プロセスチーズ | 22.7g |
魚介類
魚介類のたんぱく質 | 100gあたり |
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黒マグロ赤身 | 26.4g |
初ガツオ | 25.8g |
戻りガツオ | 25.0g |
マカジキ | 23.1g |
紅ザケ | 22.5g |
脂質が少ないものが良質
タンパク質は、肉や魚介、乳製品、卵など、主に動物性の食品に含まれています。
ただし、動物性の食品は同時に脂質も多く含んでおり、脂質が多ければタンパク質の含有量が少なくなります
脂質が少なくてアミノ酸スコアの良いものが、良質なタンパク質を含む食品とされています。
貴重な植物性タンパク質
大豆は別名「畑の肉」とも言われ、植物性食品の中ではタンパク質を豊富に含んでいます。
大豆や大豆製品は、脂質をそれほどとらずタンパク質を摂取できると言う点においても貴重なタンパク源です。
なお、穀類にも植物性タンパク質が含まれており、米や小麦、そばなどから取ることができます。
タンパク質の吸収効率をアップさせる食べ方は?
たんぱく質は吸収効率を上げるためビタミンB郡と合わせて取りましょう
タンパク質の代謝にはビタミンビー郡が欠かせません。
ビタミンBが不足していると、タンパク質を摂取しても体内でうまく吸収し利用することができません
中でもビタミンB 6はタンパク質の関わりが深く、タンパク質の分解や合成に不可欠なビタミンです。
ビタミンB 6が多く含まれる食品はマグロやカツオ、ニンニク、 ピスタチオなどに豊富に含まれています。
タンパク質の吸収には適度な運動が大切です
激しい運動する人は、運動によってタンパク質の分解が促進さます。
なので、食品からのたんぱく質摂取量を増やす 必要があります。
一方で、運動不足が続くことも、タンパク質の利用効率が悪くなり、必要量が増します。
適度な運動はタンパク質の量効率を高めるため、特に成長期には多くの運動が大切だとされています。
そもそもプロテインとは何か?
プロテイン(protein) とは ギリシャ語の「第一のもの」 が語源です。
英語で言う「タンパク質」ですが、日本ではプロテインサプリメントを指す言葉としても使われています。
プロテインサプリメントは主にスポーツをする人向けに、タンパク質だけを効率よく摂取するために開発されたもので、筋肉を大きくする効果があるとされています。
プロテインは、筋肉を発達させるとはいえ、筋肉増強剤などとは違って食品としての位置づけになっております。
単に、サプリメントを摂取しただけでは筋肉が増強される効果は望めません。 筋肉を増強したり、タンパク質の利用効率を高めるにはビタミンなどを一緒に取り、 しっかり筋肉トレーニングを行うことが大切です。
タンパク質の体内での働きは?
タンパク質は体内でどのような働きをするか
- 体の組織を構築する
- 酵素やホルモンの材料になる
- エネルギー源になる
タンパク質が欠乏するとどうなるか?
タンパク質が欠乏すると、免疫力が低下して病気への抵抗力が弱くなります。
体重や基礎代謝車力が低下し、子供の場合は成長不良になってしまいます。
タンパク質を過剰にとるとどうなるか?
たんぱく質を取りすぎた分は尿中に排出されるため、必要以上に多くとると腎臓に負担がかかります。
またタンパク質は排出時にカルシウムの排泄も促すため、骨が弱くなります。
タンパク質は人体そのものになる
筋肉や臓器など、タンパク質は体を構成する細胞の主成分となる栄養素です。
なので子供の成長や運動時には特に欠かせない栄養素です。タンパク質が不足すると成長障害を起こし、疲労回復や体の構築に影響がでます。
たんぱく質は、体の機能を調節する酵素やホルモン、免疫抗体などにの材料にもなり、生命活動を円滑にする重要な役割があります。
タンパク質は体内で、物質の運搬や情報伝達にも使われます
全身に酵素を運ぶヘモグロビン、網膜で光を認識するロドプロシン、鉄を貯蔵するフェリチン等もタンパク質からできている物質です。
タンパク質は体のあらゆるところに存在し、物質の運搬や情報の伝達、栄養素の貯蔵などにも関わる重要な栄養素です。