栄養学の観点からおもな栄養素とそれぞれの働きを紹介!賢い食事で薬いらずの体をつくりましょう。

栄養不足による体の不快な症状は、悪化するまで見て見ぬふりをしてしまいがちです。

あなたの体に備わっている、病原体に対する抵抗力や自然治癒力も栄養素のサポートなしには十分なパワーを発揮できません。心のトラブルと密接な関係をもつ自律神経の働きにも食生活や体内の環境は影響を及ぼします。

最高の体調を手に入れるには、その背景にある食生活の見直しが必要です。

食品の成分表示などに掲載されている、おもな栄養素と体内での働きを知ることで薬いらずの体をつくりましょう。

エネルギー源や、体の構成材料として利用される栄養素

タンパク質

タンパク質は、筋肉、臓器、皮膚、といった体の組織や血液、ホルモン、酵素などの材料になる。

タンパク質は、20種類のアミノ酸が様々な形で、結合して構成されている。

アミノ酸のうち、体内で合成することができないアミノ酸、食品から取る必要がある9種類のアミノ酸を『必須アミノ酸』という。

タンパク質の種類は、動物性タンパク質、植物性タンパク質の2種類あり、それぞれアミノ酸の結合の形が違うので、消化や吸収の速度が異なる。

さらに細かく分類すると、ホエイ、カゼイン、卵白、大豆タンパク質、小麦タンパク質の5種類に分類される。これらのタンパク質を『5大タンパク質』という。

必須アミノ酸

イソロイシン、ロイシン、リシン(リジン)、メチオニン、フェニルアラニン、トレオニン(スレオニン)、トリプトファン、バリン、ヒスチジン

その他のアミノ酸

アルギニン、アラニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン、プロリン、セリン、アスパラギン、グルタミン、など

脂質

脂質は、エネルギー源となるほか、皮下脂肪として体温調節などに役立つ。

細胞膜やホルモンの材料になる。脂質を構成する成分の一種である脂肪酸はそれぞれの構成によって分類される。

コレステロールも脂質の一種です。体に良い影響をおよぼす、コレステロールが善玉コレステロールと呼ばれ、体に悪い影響をおよぼすコレステロールが悪玉コレステロールと呼ばれます。

飽和脂肪酸

悪玉コレステロールを増やす。肉類、バターなどに多く含まれる。パルミチン酸、ステアリン酸など

不飽和脂肪酸

一価不飽和脂肪酸

n-9系脂肪酸:悪玉コレステロールを減らす。オレイン酸

多価不飽和脂肪酸

n-6系脂肪酸:悪玉コレステロールを減らすが、とり過ぎると善玉コレステロールも減らす。リノール酸など

n-3系脂肪酸:悪玉コレステロール、中性脂肪を減らす。α-リノレン酸、DHA、EPAなど

トランス脂肪酸

悪玉コレステロールを増やす。

糖質

糖質は、エネルギー源となり、過剰な分は体内に蓄えられる、脳の唯一のエネルギー源。

食品の栄養成分を表示する日本食品基準成分の『炭水化物』の含有量として表示されるのは、糖質と、食物繊維の合計値。

ビタミンの種類と効果

体の機能を調整するために使われる13種類の栄養素

ビタミンは脂質に溶けやすい脂溶性ビタミンと、水に溶けやすい水溶性ビタミンがあります。

また酸化や熱に弱いビタミンもあるので、ビタミンの吸収率をUPさせるにはビタミンの特性を理解し、油脂を利用するか、水分を利用するか調理に役立てましょう。

脂溶性ビタミン

ビタミンA

ビタミンAは、動物性食品にはレチノールとして存在し、植物性食品には、体内で必要な分だけビタミンAに変化するβ-カロテンなどの形で含まれる。皮膚や粘膜の新陳代謝を促進する働き、アンチエイジング効果がある。

ビタミンD

ビタミンDは、食品から摂取するか、太陽から適度な紫外線を浴びることで作られる。カルシウムのバランスを整えるサポートをし、骨の健康を保つ。

ビタミンE

ビタミンEは、強力な抗酸化作用のあるビタミン。ビタミンCとともに摂取することで、相乗効果が得られる。細胞膜を守り、抗酸化作用で体のサビとり、ホルモンバランスの調整や、血行を促進する。

ビタミンK

ビタミンKは出血時に血液を凝固させる、骨を丈夫にする、動脈の石灰化を防止する。妊婦や成長期の子供、新生児は欠乏しやすい。

水溶性ビタミン

ビタミンB群

ビタミンB1、ビタミンB2、ナイアシン、ビタミンB6、ビタミンB12、葉酸、パントテン酸、ビオチンの8種類。水溶性で体の外へ排出されやすいので、毎日必要分を、摂取する必要がある。エネルギー代謝をサポートする。

ビタミンC

ビタミンCは細胞を攻撃する酸素や日光、毒素、などから身を守る。老化防止、免疫力UP、コラーゲンを作成、ステロイドホルモンを作成、鉄の吸収をサポート、酵素の働きを助ける、メラニン色素を抑止する。酸化した細胞は病気や老化の原因となりますが、ビタミンCは抗酸化作用があるので酸化を防止します。

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ミネラルの種類と効果

体の機能を維持するために使われる。

「日本食品基準成分表」には13種類について含有量が記載されている

ヘルスケア

ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、鉄、亜鉛、銅、マンガン、ヨウ素、セレン、クロム、モリブデン

食物繊維

食物繊維は、人の体内で消化、吸収されない成分。

善玉菌のエサになり、腸内フローラ(腸内の環境)を良くしたり、便秘解消、血糖値やコレステロール値の調整などに役立つ。

食物繊維は、水に溶けやすい水溶性食物繊維と、水に溶けない不溶性食物繊維に分けられる。

大根
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機能性成分

三大栄養素、ビタミン、ミネラル、食物繊維以外の健康維持に役立つ成分。さまざまな食品に微量に含まれており、種類が豊富。

ポリフェノール

ポリフェノールは、優れた抗酸化作用がある。イソフラボン、アントシアニン、カテキン、など

カロテノイド

カロテノイドは、優れた抗酸化作用がある。β-カロテン、リコピンなど

イオウ化合物

イオウ化合物は、抗酸化作用、抗菌作用、血栓防止作用などがある、硫化アリル、イソチオシアネートなど

クロロフィル

クロロフィルは、貧血予防、コレステロール値の低下作用などがある

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