人生で大きな買い物のお金の使い方
この記事で解決できる疑問
- 家は買った方がいいのか?
- 医療保険に入る意味ない理由とは
- 生命保険は入った方がいいのか
前回の記事で「安全に貯金をふやす方法」と「少しのリスクで資産運用するには」、「投資信託の選び方と人はなぜ投資するのか」を紹介しました。
資産運用の大切さや投資信託のメリットは理解したので、今回は人生で大きな買い物をするときや生涯の正しいお金の使い方について紹介していきます。経済評論家や東大経済学部の教授に人生で大きな買い物をする時の疑問を徹底的に聞いてきました。
繰り返しとなりますが、お金の悩みは一生、終わらないのでせめて最低限のことだけは知っておく方がいいです。
いろいろ知ったうえで、定期預金、保険、住宅ローン、資産運用などあなたの好きなものを選んでください。ただ知らなかったせいで貯めたお金を損してしまうのは悲しいですよね。
だから可能な限り、みなさまに疑問を残さないように紹介していきます
前の記事でお金を貯めることについて紹介しましたが、正しく使うことも大切です。人生で大きな買い物の家についてです。
Q.家は借りた方がいいか、買った方がいいか
住宅購入のメリット
- 「自分のものにしたぞ」という精神的な満足感。
- 家賃を払わなくて済む。
住宅購入のデメリット
- ローン(借金)を組むため現金で買うよりも銀行の儲け分、自分は損をする。
- 自分のものになっても価値は残らない。
- 維持コストがかかる。
- もし必要なくなったり転勤の場合、売ったり貸したりするのが大変。
- すぐに現金化できない
それでも自分の家を買いたい場合は?
メリットが少なく、売る時、貸す時に面倒なのもコストも理解したけど、「それでも家を買いたいんだ」「銀行の奴隷になる覚悟」がある。そんな方のために、もし買うなら一番損しない方法を紹介します。
まずは、ローンを極力早く返すこと。「安全に貯金を増やすには」で紹介した複利はマイナスにも効果を発揮するので時間をかけるほど、多く損をします。なので繰上げ返済でなるべく早く返すことです。
よく家のローンを払いながら、投資をする人がいますがこれはやめた方がいいです。ローンの金利が2%だとしたら、早く返すだけで2%の資産運用をしているとも言えます。
ゼロリスクで確実に2%運用ができる方法なんて今(2020年現在)は存在しないので、投資する余力があるのなら、まずはローンを早く返済することが一番良い運用です。
そして、新築のマンションはやめるべきです。新築マンションの広告費はとても高額です。CMや看板、モデルルーム費用など
その分を買う人から回収するので、購入価格が高くなる。新築マンションの価格の3割は経費と売る側の利益と言われています。だから、購入した時点で3割引の価値しかないです。
つまり、4000万で買った家が、住んだ瞬間に2800万になるということです。
買うなら郊外の戸建てが良いのかな?
マンションより戸建ての方がいいけど、郊外はお勧めしません。通勤に時間がかかり、毎日2時間でも月20日として40時間は移動に使っていることになる。この時間が無駄になるので時間効率も考慮するべきです。
医療保険に入る意味がない理由
次に高い買い物と言えば、保険ですね。毎月2万の保険を40年払い続けると1000万になる高額な買い物です。
「独身だし、生命保険は加入予定ないけど、医療保険は入ろうかな」と考えてる方は、考え直して下さい。家族がいないなら、どの保険にも入らない方がいいです。
保険は「損をするギャンブル」だからです。病気になったら得をして、ならなかったら損をするから、「ギャンブル」です。そして保険というのは営業の女性が勧誘しにきます。あなたが払う保険料には彼女たちの人件費も含まれています。保険CMの女優の出演料などのコストも含まれています。
保険料の50%ほどが人件費や広告費に使われてしまいます。運営側にお金を半分とられるギャンブル「宝くじ」のようなものです。保険料の計算は不透明で加入するべきではないです。
もし病気にかかって入院した時に、治療費がすごくかかるのが心配で加入する人が多いのはわかりますが、それでも入らない方がいいです。
病気になった時は『高額療養費制度』というのがあります。これは健康保険の加入者がもし月に数十万以上(年収による)医療費がかかる場合にそれ以上を国が負担してくれる。会社員であれば健康保険に加入しています。
もちろん、保険の効かない先進医療や入院時の差額ベット代は除きますが、図のように適用範囲であれば、病院で一定額以上支払う必要がありません。
つまり年収500万円の人だったら重い病気や怪我をしても、健康保険の適応範囲であればだいたい月8万から9万くらいまでしか払わなくて良いということです。
医療保険に入ったと思って毎月定額を貯金する方が合理的
医療保険に加入して手数料をとられて病気に備えるより、保険に入ってと思って保険料と同じ額を貯金をする方がはるかに合理的です。
いざというときはそこから使えば良いし、もし健康だったら手数料をとられずに、資産が残ります。
先進医療を受けたいし、2人に1人はがんになるのに平気なの?
2人に1人だからこそ入ってはいけない。
そもそも保険は、確率は低いけどもし起きたら、莫大なお金がかかるものに大して効果があるものです。なので自動車保険は意味がある。
がんだって有効な治療の大半は保険医療で対応できます。かかるお金は高額療養費制度で対応できるので一定額以上を支払う必要はありません。
保険料が満期で戻ってくる元本保証の医療保険もカラクリがある
資産運用をしていたら得られる利益が保険料としてもらえるだけです。
そのタイプは制約が多くあります。途中で病気になって保証を受け取ると、その分を満期額が引かれたり、途中解約するとお金が帰ってこなかったりと必ずカラクリがあります。
全額保証型医療保険のデメリット
- 毎月の保険料が高い。
- 途中解約の場合、今まで支払った保険料より少ない金額が戻ってくるので途中で保険の変更をしにくい
- インフレが進んだ場合、満期の金額が今の価値より下がっている可能性がある。
- 保険会社が存続していない可能性もある。
生命保険に加入するべき人とそうでない人
生命保険は人それぞれで「もし自分が死んだら家族が生活していけない」そんな人だけが入ればいいです。
どのような保険に入るべきかは、ネットの保険会社で子供が自立するまでの10年から20年の最低限の期間です。
『残される家族の人数』×『1000万円』
このくらいの死亡保証で特約のないシンプルな物がいいです。掛け捨てなら費用が抑えられるし、ネットで比較すれば安い保険が見つかります。また保険会社が潰れた場合も別の保険に変更するだけなので割安です。
もしもの時は、保険金と遺族年金がもらえる
まず生命保険の保証で「家族人数」×「1000万」が残ります。また国民年金か厚生年金の加入者が死亡した場合は残された家族に遺族年金がもらえます。
なので保険料を抑えた分、貯蓄にまわし早く資産を増やす。そして万が一の時はそこから使えば大丈夫です。
遺族年金制度とは?
国民年金の加入者が死亡した場合、配偶者や子供などにお金が支給される制度
お金の運用なんてシンプル
家も買わなくっていいし、保険にも入らなくていい。しかも覚える金融商品は個人向け国債と投資信託の2つだけなので、かなりシンプルです。まとめの下にある関連記事で運用も紹介しているので参考ください。
まとめ
家は買うべきか?
- 購入後の資産価値と支払う金額を比較して、検討する。
- 家賃を払わないで済む、自分のものになるを過大評価しない。
- ローンを組むと金利分だけ余計にお金がかかる。
- もし買うなら新築マンションはやめる。
- ローンはなるべく繰り上げ返済する。
医療保険は加入するべきか?
- 保険に加入して払う保険料は運営会社の利益があるので「損するギャンブル」です。
- 健康保険加入者で保険適応範囲なら「高額療養費制度」があるので毎月の支払額は固定されている。
- 保険料を払ったと思って貯蓄や資産運用で増やすことで、万が一に備える方が合理的です。
生命保険は加入するべきか?
- 自分が死ぬと家族が生活していけない人だけが生命保険に入る。
- 生命保険に入るなら、ネット保険会社(アクサダイレクト、ネットライフ生命など)で10年〜20年掛け捨て型で死亡保証のみ、特約のないシンプルな保険にする
- 保険料を抑えて貯蓄にまわし万が一に備える。
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