身にまとうと完全に透明になる

似たような発明はこれまでにもあったが、マントに映像を投影してそれっぽく見せているだけだったりとガキでも思いつく内容ばかりだった。だがついに男の夢、本物の光学迷彩が誕生したようだ。

カナダの迷彩企業ハイパーステルス・バイオテクノロジー社が開発した「クアンタム・ステルス(Quantum Stealth」という技術を紹介しよう。

紙のように薄く、安価で、しかも迷彩効果を発揮するために電力も必要ない。それでも背後にあるものを見事に透明に消し去ってくれる。


可視光、中間・近紫外線、赤外線を曲げる

クアンタム・ステルスは光を曲げて、遠くにあるか、すぐ側にあるもの以外を見えなくしてしまう。

だから、ステルスマントを持っている人の手や後ろを動く人の姿などはぼんやりと浮かんで見えてしまう。SF映画でよく見るカッコいいぼんやりしたイメージになる。

このステルスの素晴らしい点は可視光のみでなく中間・近紫外線から赤外線までの光も曲げる。解像度の低いカメラは可視光ではない光を捉えているので、そのステルス効果はカメラ越しに見たときの方がより効果が発揮される。

開発が始まったのは2010年ごろ。以来ハイパーステルス社は軍関連組織と共同で開発を進めていて、つい最近4つの特許が申請されているので軍事利用、商品化など狙っているのではないだろうか。

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image by:youtube

スネルの法則とは


詳しい仕組みは公表されていないが、原理自体はごく単純で「スネルの法則(屈折の法則)」を利用したものだ。

その効果は自分でもすぐ確認できる。コップに水を入れて、その中にスプーンを入れてみればいい。スプーンは曲がって見えるだろう。同様にプールも光が屈折するために、実際よりも浅く見える。

光がある物体から別の物体に進入すると進行方向が変化するが、どれだけ変化するかは素材によってそれぞれ異なっている。

だから、ある素材の屈折率を熟知していれば、クアンタム・ステルスのように盲点を作り出すことが原理上は可能になるというわけだ。

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image by:youtube

フィルムのように薄いから扱いやすい、しかも安く作れる。今後、この研究は軍事関連で普及して、少しずつ民間人も利用できるようになるだろう。

あなたも今のうちに透明人間になったら、何をするか決めておくことをオススメする

References:A Canadian Company Has Created An Incredible Invisibility Shield | IFLScience/ written by hiroching / edited by parumo

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