ビジネスで重要な問題解決スキルや論理的思考力を高める方法

  この記事で解決できる疑問

  • 本当に取り組むべき課題や問題点を見つける方法
  • 視点の切り替え方
  • 多角的に問題をとらえる
  • チームメンバーを育成し成長を促す方法

ビジネスにおいて本当に大事なことは、やらないことを明確にする事です。

企業には数え切れないほどの課題や問題点を抱えています。全てを解決しようと思っても時間も人も足りません。

仕事には期限があり、工数も限られている中で優先順位をつけて、本当に解くべき課題を設定することが大切です。

この「真の課題」を設定し、取り組むことで考えるべきことが、明確になり問題解決のスピードが上がり、より効果的な成果をあげることができます。

もちろん、全ての人が「私は真の課題を解いてる」と、思いがちだがここをもう一度考え、「真の課題」を見極めるスキルや論理的な思考力を高めましょう。

論理的思考

常に「真の課題」は何かと考える

仕事を共にするチームの上司に論理的思考の持ち主がいれば、部下も周囲の人間も加速的に成長することができる。

そうでない場合は、自分や周囲の論理的思考力を高める必要があるが、どんな試みをしたら良いのだろうか。

新しい課題や隠れた課題を見つけ出すには、単なるロジカルシンキングだけでなく右脳的発想力が必要になる。さらにいえば、問題設定する時に経験やノウハウが必要になる。

こうした問題解決スキルを最速で高めるにはどうしたら良いのだろうか。

 

管理職でなくても考えるべき

一般のビジネスパースンはコンサル目線や上流工程に関わる機会は少ないかもしれないが、管理職や経営に関わるまで関係ないと思ってはいけない。

なぜなら「真の課題」は何かと、とことん考えて経験を積むかどうかで将来の考え方、価値観に大きな差が生まれるからです。

また上司や幹部が設定した課題を自分が取り組むとしても、課題だけでなく問題の全体像をとらえ、より上位の課題や問題までさかのぼり、自分の解決すべき課題と考えるかどうかで視野の広さ、オーナーシップに大きな差が出てきます。

成長過程の重要性

ビジネスパーソンの成長にとって、もちろん具体的なスキルや知識の開発・蓄積も重要だが、こういったオーナシップや価値観の考え方による立ち位置の差は中長期的に考えれば大きな違いとなっていく。

さらには、解決策の立案や実行が問題点にぶつかり停滞した時にも、より上位な大きな問題に立ち戻って考えることで、より新しい創造的な解決策を発見できることが多い。

日々の仕事の質やスピードを高める為にも、経験の浅いうちに多くの問題点を意識し、解決策を考える習慣をつけることが重要である。

問題意識が論理的思考を育てる

Idea

最終的には論理的思考には経験の蓄積が重要になるのだが、同じ経験をしても問題設定が上手な人とそうでない人がいる。これは個人的なスキルもあるが、好奇心を持つ姿勢が大切だ。

目の前の問題に対して、より上位な問題の存在を求める姿勢があるかないかで、思考方法が大きく変わってくる。

「真の課題」はなにかと考える人と、ただ与えられた課題の答えを探す人では視点が違うので、正確な問題意識を持っている人は同じ作業をやっても出来が良くなる。

だから問題意識を持つ、というのは「論理的思考」を鍛える第一歩といっていいだろう。

この意識を持つだけでビジネスパーソンとしての成長は早くなり、論理的思考が大いに鍛えられるはずです。

経営幹部や上司が認識している問題にただ取り組むだけではなく「本当の解決すべきことは何か?」と疑ってみることが重要だ。

視点を変える

チャート

視野、視座、視点の三要素で思考を高める

課題に疑問を持ち、全体像に意識を向けるのは簡単なことではない。なので、私は視点以外に視野と視座を加えた三要素を大切にしています。

なぜなら三要素のうち、視野と視座はすぐに訓練できて、成果を上げやすいからです。

視野----普段は気にしない方向に眼を向ける

論理的思考で大事なことは、広い視野でものを見ることで、これまで見過ごしていたものに注意を払うことである。

例えば、ある企業でコスト削減のプロジェクトをやっている時に、いつものように原料調達費用の削減、部品の共有化、品種の削減を検討していた。

しかし、どうしても正解が見つからない。

そこで視野を広げる為、自社のコスト構造はどうなっているのか調査した結果、自社の生産規模と生産方法では、他社と比べ生き残りが不可能だと判明した。

要するに、全体のスケールメリットの方が効く為に、要素のコストをいくら下げても、競合他社とのコスト競争力が追いつかないことが、判明したのである。

この場合、単品部品のコスト削減で単価を抑えるのではなく総コストという視野にかえた結果、「真の課題」が見えたのである。

例の場合「真の課題」がわかれば、「全く新しい製造方法を考える」や「M&Aで必要な生産規模を確保する」など別の解決策が簡単に思いつく。

もちろん、実行は難しいが、解決できないプロジェクトがシンプルな解決策で対応ができるのである。

視野を広げる為には

視野を広げる為には、普段気にしないことに気を向けることである。

営業の人間であれば、普段は流通や顧客、取引先のことばかり考えているが、エンジニアや事務部門など、違う人間であったらどう考えることで違った見方が出来ることも多い。

これは企業にも言えることで、国内市場中心の企業であれば、海外市場や競争相手に目を向けるのもいいだろう。

視座----自分の2つ上の役職のつもりで仕事をする

視座とは、より高い目線で物事を見る事を言う。高い目線とは役職の高さもあるが鳥の目的な高さもある。

1つ上ではなく2つ上のつもりで仕事をする理由は、自分の利害や立場から離れて考える事によって今抱えている問題の原因が明確に浮かび上がってくる方である。2つ上の立場で考える事は別のメリットもある。

それは自身の将来像が描きやすいという事である。2つ上の立場を想定してそれに向かって自分に足りないスキルや経験は何か。

その立場ならどんなふうに仕事をやれそうか。

自分のやるべきことが明確になる

必要なスキルや仕事のスタイルはそれぞれだが、自分の進むべき道が明確になる。どうしても2つ上のポジションが想像できないのなら、職種転換や転職をした方がいいかもしれない。

毎日繰り返しの、意味のない問題を解いても自分に変化は起きない。良い問題設定ができれば時間の使い方が変わり、読む本が変わる、会う人が変わるなどいい方向に変化が起きてゆく。

視座

視点----切り口を変えてみる

着眼点、目の付け所である。自分自身がどんなパラダイムや思想に関連づけされ、考えているかです。

人は誰しも固定概念やパターン化、過去の経験から決まった視点で見てしまう。そして、自分の視点に固執しがちなのである。次に具体的な視点の変え方を紹介します。

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多角的な視点を身に着ける具体例

逆から考える

成長した事業は、多くの場合で現在のビジネスモデルにしたがってしまうが、「もし新規参入者だったらどうするか」と言う発想で自分たちの戦略を考えて見ると、今までとは違うアイデアが出る。

業界最下位ならどうするか

シェア率が低い場合、シェア率が高い企業に比べ大胆に割引特典など設定ができるなど、最下位でしかできない戦略がある。

現場視点で考える

現場には、事業成長性やアイデアのヒントになる要素が多い。しかし、コンサルや経営者は現場を知らないことが多いので、現場視点で考えれば差別化ができる。

両極端を想定する

『戦争論』の軍事学者カール・フォン・クラウゼブィッツが「両極端を考えろ」と提唱している。最善と最悪を想定することで、対策や方針に落とし穴がないか考えられる。

ロングレンジで考える

安易な言葉を使うなら「夢を見続ける」ことだ。経営にしても商品開発にしても1年〜2年先を見据えて行うことが多いだろう。

だが10年20年先をどうなるかと考えた時、違う発想が生まれてくる。今、一生懸命やっていることが、長い目で見れば大した意味を持たないと言うこともある。

自然界からの発想

ダーウィンは「同一生態系を営む2種以上の種は生存できない」といった。同じ川に住む魚でも、藻を食べる魚、小魚を食べる魚であれば、両方生きられる。同じ小魚を食べる種が2種類いれば、どちらかは淘汰される。

植物も間伐しないと大きく育たない。すべて大きくは育たないのである。

これは企業の資源投入にも言えることで、全員一度に底上げ教育や全店舗をよくしようなどは上手くいかないことが多い。社員の1部や店舗の1部を集中してトレーニングする方が上手くいくのだ。

アナロジーからの発想

ある業界で起きたことは、他業界でも起きることがあり発想のヒントになる。

顧客視点で見る

不要なサービスは多くある。居酒屋のお通し、ポストへ投下されるチラシ、わかりづらい料金プランなど、顧客からすれば不要なことが多い。ニーズを的確にとらえるならば変更点が見つかる。

複数の問題を見つける

問題

問題に気づかないのは危険

理想を求めて複数の問題点が浮かばないのはそれは要注意である。

視野が狭いか発想が貧弱か、思い込みが激しく見逃してしまっている問題があるか、理想に近い状態で問題解決に当たっているので問題が1つしかない場合だ。理想に近い状態ならいいが、そんなことは滅多にない。

問題点を複数見つけるのは難しいかもしれないが、解決策を考えるのは簡単だろう。解決策から、重要な問題を見つけ出すように考えていくのがいいだろう。

代替え案を考えるには上下左右の問題が重要

解決策の代替え案を考えるのは重要だ。競合に負けている要因は商品力に差があるからだと上司が指示し、商品力の向上を図っても、そもそもコスト構造に問題があるとしたら、いくら商品のことを考えても意味がない。

違う問題を考えることが出来れば、解決策も考えやすい。

自分の主張の理論を明確にする

物事を主張する時に、自分がどういう理論構造の中で何を主張しているかを考えることが極めて重要となる。

なせそう思うのかを突き詰めていくと自分とは異なる理論の存在が浮かび上がるし、自分の理論より上位概念の存在に気づくことも多い。

さらに相手がどの問題に対処するため、意見しているかがわかるので問題はさらに解決へと近づく。

反対者の意見を想像する

代替え案を考える時、反対しそうな立場になり自分の意見をあえて否定的に考える。

これは私もよく使う方法で反対意見を想像しながら、最高の解決策をどうやって否定してやろうかと考える。

そうすることで代替え案が思い浮かぶ。

きちんとした対立軸を見つける為には、高い視座を持つことが必要だ。優秀な人は2つ上から物事を考えている。

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問題解決スキルや論理的な思考力を高める 結論

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結論

  • 好奇心をもって考える
  • 本当の問題は何か考える
  • 視点を変えて考える
  • 複数の問題があると認識する
  • 自分の主張を明確にする
  • 反対意見を想像する

理論を明確にし「真の課題」を見極めて、問題解決までのスピードを高め、視野を広げること、解いても意味のない問題から解放されること。

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