化学反応式
化学反応式とは
化学反応の反応物と生成物の量的関係を式で表したものを化学反応式と呼ぶ。ルールは以下の通り。
- 反応物を左側に置き、生成物を右側に置く。
- 左辺右辺を→で結ぶ。
- 整数の係数をつけて左右辺の元素の種類・数を同じにする。
イオン反応式
反応に関係しないイオンを省略した化学反応式をイオン反応式と呼ぶ。ルールは化学反応式と同じ。
最上段が化学反応式、最下段がイオン反応式http://www.slideshare.net/
目算法
化学反応式に係数をつけるための方法である。次の手順で行う。
- 最も元素数が多い物質の係数を1とする。
- 手順1の物質を基準として他の物質の係数をつける。この際、分数になっても良い。
- 最後に分数が整数となるように、公倍数をかける。
2Oに係数をつける
- H2Oの係数を1とする。
- Hは右辺に2つと決定されたので、左辺のH2の係数は1であることがわかる。H2 + O2 → H2O
- Oは右辺に1つと決定されたので、左辺のO2の係数は1/2であることがわかる。H2 + 1/2O2 → H2O
- 分数があるので、全体に2を掛ける。2H2 + O2 → 2H2O
未定係数法
化学反応式に係数をつけるための方法である。目算法で解けない化学反応式にはこの方法を用いる。
- それぞれの係数をa、b、c…と代数に置き換える。
- それぞれのa、b、c…の量的関係を化学反応式から導き出す(a=6cなどなど)
- 最も元素数が多い物質の係数を1とする。
- 代数に色々代入していくと、 それぞれの値を求めることができる。
2Oに係数をつける
- まずCに注目すると、6a = cの関係が導きだせる。同様に、Hに注目すると12a = 2d、Oに注目すると6a + 2b = 2c + dとなる。
- 最も元素数が多そうなC6H12O6の係数a=1とする。
- すると、6a = cなので、a=1を代入すると、c=6となる。
- また、12a=2dなので、a=1を代入すると、d=6となる。
- 6a + 2b = 2c + dにa=1、c=6、d=6を代入すると、b=6となる。
- a、b、c、dそれぞれの値を化学反応式に代入すれば完成。
化学反応式の意味
化学反応式
化学反応式は化学反応の量的な関係を示している。そのため、色々な単位で量を捉えることができる。次の化学反応式を例として見てみよう。
分子の数
- CH4分子 1個
- O2分子2個
- CO2分子1個
- H2O分子2個
物質量
- CH4分子 1mol
- O2分子2mol
- CO2分子1mol
- H2O分子2mol
質量
- CH4分子 16×1g
- O2分子32×2g
- CO2分子44×1g
- H2O分子18×2g
気体の体積
- CH4分子 22.4×1L
- O2分子22.4×2L
- CO2分子22.4×1L
- H2O分子22.4×2L
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化学変化の諸法則
以下の5つの法則がある。
質量保存の法則 by ラボアジエ
化学反応しても質量は変わらない。
定比例の法則 by ブルースト
化学反応しても成分元素の質量比はいつも同じ。
倍数比例の法則 by ドルトン
AとBからなる化合物ABがある時、成分元素のAとBと化合物ABは簡単な整数比となる。
気体反応の法則 by ゲーリュサック
気体の体積は、化学反応前と後では簡単な整数比となる。
アボガドロの法則 by アボガドロ
同体積の気体は、どんな気体であっても同数の分子を含む。
原子説と分子説
ドルトンの原子説の矛盾
ドルトンと言えば原子説を提唱した人物。
ドルトンは、単体の気体は分子ではなく単原子でできていると考えていた(例:酸素はO2ではなくO)。しかし、 そう仮定すると、酸素と水素の化学反応では、次の図のように原子が分割されるという矛盾が生じる。
アボガドロの分子説
アボガドロは原子説の矛盾を解決するために分子説を提唱した。単体であっても原子同士は結合し、気体は分子でできているという考えである。