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  • 投稿カテゴリー:科学
  • 投稿の最終変更日:2020年6月23日

金属結晶

金属結晶とは

金属原子同士が、自由電子によって結ばれた結合を金属結合と呼ぶ。金属結合によって結ばれ、規則正しく配列した原子集団を金属結晶と呼ぶ。金属結晶内では自由電子が原子の周りを自由に動き回っている。

金属結合

金属の結晶格子

結晶の粒子の配列を表したものを結晶格子と呼ぶ。金属によって結晶格子の形が異なる。また、結晶格子の最小の単位を単位格子と呼ぶ。単位格子には体心立方格子、面心立方格子(立方最密構造)、六方最密構造がある。

格子

 

配位数

格子内で、1つの原子に隣接する他の格子を配位数と呼ぶ。 それぞれ格子によって配位数は異なる。

  1. 体心立方格子:配位数
  2. 面心立方格子:配位数12
  3. 六方最密構造 :配位数12

原子半径

単位立方格子(体心立方格子、面心立方格子に限る)の一辺の長さがわかれば、三平方の定理で原子半径を求めることができる

https://www.mindomo.com/

体心立方格子の原子半径

格子の一辺をa、原子半径をrとすると、次の関係式となる。

r = √3/4 a

面心立方格子

格子の一辺をa、原子半径をrとすると、次の関係式となる。

r = √2/4 a

充填率

その単位格子の体積内にどれだけ原子の体積が占めているかを示したものを充填率と呼ぶ。原子1つの体積×格子内に含まれる原子数÷単位格子の体積×100で求めることができる。

  1. 体心立方格子:68%
  2. 面心立方格子:74%
  3. 六方最密構造 :74%

球の体積

次の式で求めることができる。

V = 4/3 π r3

r(半径)は、前述した原子半径の求め方で得ることができる。

イオン結晶

イオン結晶とは

陽イオンと陰イオンが静電気的なクーロン力によってイオン結合し、粒子が規則立たしくならんだ物質をイオン結晶と呼ぶ。

NaCl
NaClの結晶(イラスト)http://www.atomsinmotion.com/

イオン結晶の性質

イオン結合は+と-の静電気力による結合なので、+- +-+-+-と規則的に並んでいく。その結果、イオン結晶には次の性質がある。
  1. 硬いが割れやすい 
  2. 融点が高い
  3. 固体は電気を通さないが、融解した液体は電気を通す
  4. 水溶液は電気を通す
  5. 水に溶けやすいものが多い

イオン結晶の結晶格子

イオン結晶の結晶格子は、陽イオンと陰イオンの大きさの違いから、物質によって様々な格子の形を作る。

unitcell
様々な形の単位格子http://chemed.chem.purdue.edu/

覚えておくべき単位格子は、NaCl、CsCl、ZnSの単位格子である。構成する原子の個数は、組成式の陽イオンと陰イオンの比と同じである。

NaClの単位格子

Na+ = 4個
Cl- = 4個
配位数 Na+:、Cl-:

CsClの単位格子

Cs+ = 1個
Cl- =1個
配位数 Cs+:、Cl-:

ZnSの単位格子

Zn2+ = 4個
S2- = 4個
配位数Zn2+ :、S2-

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共有結晶

共有結晶とは

すべての原子が共有結合によって固く結びついた物質。恐ろしく硬い。ダイヤモンド水晶などが有名。

ダイヤモンド

C原子が共有結合した巨大分子。

ダイヤモンド
ダイヤモンドの構造http://www.mm.kyushu-u.ac.jp/

水晶

SiO2が共有結合した巨大分子。

SiO2

共有結晶の性質

  1. 非常に硬い。
  2. 融点が非常に高い。
  3. 電気を導かない。しかし、黒鉛は自由電子を持っているので例外的に電気を通す。

黒鉛 

C原子が共有結合した巨大分子。しかし、全ての電子が共有結合しているわけではなく、自由電子として動き回れる電子も存在する。そのため、黒鉛は電気が通る。

黒鉛

分子間力

分子間力とは

分子の間に働く弱い引力や相互作用などを分子間力と呼ぶ。ファンデルワールス力、極性分子間に働く引力、水素結合の3つがある。

ファンデルワールス力

すべての分子の間で働く弱い引力をファンデルワールス力と呼ぶ。引力であるので、分子量が大きいものほど、ファンデルワールス力も大きくなる。その結果、分子量が大きいほど沸点が高くなる。

ファンデルワールス力

極性分子間に働く引力

極性分子とは、分子内で+と-の極性が生まれている分子である。他の極性分子と静電気的な引力(+と-)によって引き合う。ファンデルワールス力よりも強い。

極性分子間

水素結合

極性分子間に働く引力の親玉。電気陰性度の大きいF、O、Nの原子とH原子が結合していた場合、Hの電子が引き寄せられて大きな極性が生じる。その結果、水素原子(+に帯電)と、他の原子(-に帯電)の間に静電気的な引力が生まれ、水素結合となる。同種の分子間だけでなく、異種の分子間でも水素結合は生まれる。分子間力の中で最も強い。

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分子結晶

分子結晶とは

分子が分子間力によって規則正しく配列したものを分子結晶と呼ぶ。氷は水分子が水素結合によって規則正しく並んだ物質である。

氷

分子結晶

分子結晶の性質

分子間力の弱い力で結合している結晶のため、以下のような性質が共通してある。

  1. やわらかい
  2. 融点・沸点が低い
  3. 電気・熱を通さない
  4. 昇華しやすいものがある(ヨウ素I2、ドライアイスCO2、ナフタレンC10H8

非晶質

非晶質とは

固体ではあるが、粒子が規則的ではなく、不規則に並んでいる物質を非晶質(アモルファス)と呼ぶ。アモルファスシリコン、石英ガラス、ソーダ石灰ガラス、アモルファス合金などがある。

アモルファス
左が非晶質の構造http://www.majordifferences.com/

アモルファスシリコン

ソーダ石灰ガラス

ソーダ石灰ガラス

アモルファス合金

アモルファス合金
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結晶のまとめ

h3>共有結晶(非金属元素の共有結合)

極めて硬い、融点が高く、電気は通さない。ダイヤモンド、ケイ素、二酸化ケイ素などがある。

ダイヤ

分子結晶(分子間力)

やわらかく、融点が低く、電気は通さない。氷、ドライアイス、ナフタレン、ヨウ素などがある。

氷

イオン結晶(非金属元素と金属元素のイオン結合)

硬いが割れやすい。融点は高く、固体は電気を通さない。液体は通す。 塩化ナトリウム、炭酸ナトリウムなどがある。

NaCl

金属結晶(金属元素の金属結合) 

やわらかいものから硬いものまである。 融点は低いものから高いものまである。電気は通す。金、銀、鉄、銅などがある。

 

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