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  • 投稿カテゴリー:科学
  • 投稿の最終変更日:2022年3月31日


無機物質の利用方法-塩化ナトリウムNaCl-

塩化ナトリウムNaClの利用

 NaClは様々な用途に使用される。NaClを用いて、炭酸ナトリウムNa2CO3、塩化水素HCl、金属ナトリウムNa次亜塩素酸ナトリウムNaClOが作られる。

炭酸ナトリウムNa2CO3の製法(アンモニアソーダ法)

NaClと水H2OとアンモニアNH3と二酸化炭素CO2を反応させ、炭酸水素ナトリウムNaHCO3と塩化アンモニウムNa2CO3を生成する。

NaCl + H2O + NH3 + CO2 → NaHCO3 + Na2CO3

炭酸水素ナトリウムNaHCO3を熱分解し、炭酸ナトリウムNa2CO3を生成する。

NaHCO3 → Na2CO3 + H2O +CO2

Na2CO3

金属ナトリウムNaの製法

NaClの融解液を電気分解し、塩素Cl2と金属ナトリウムNaを生成する。

2NaCl → Cl2 + 2Na

Na

塩化水素の製法

NaCl水溶液を電気分解し、塩素Cl2と水酸化ナトリウムNaOHを生成する。

2NaCl + H2O → Cl2 + 2NaOH + H2

塩素Cl2に水を反応させ、塩化水素を生成する。

H2 + Cl2 → 2HCl

次亜塩素酸ナトリウム(漂白剤・殺菌剤)NaClOの製法

NaCl水溶液を電気分解し、塩素Cl2と水酸化ナトリウムNaOHを生成する。

2NaCl + H2O → Cl2 + 2NaOH + H2
 
塩素Cl2と水酸化ナトリウムNaOHを反応させ、次亜塩素酸ナトリウムNaClOを生成する。 

2NaOH + Cl2 → NaCl + NaClO + H2


無機物質の利用方法-炭酸カルシウムCaCO3

炭酸カルシウムCaCO3の利用

炭酸カルシウムからは、酸化カルシウムCaO、水酸化カルシウムCa(OH)2を経て、高度さらし粉Ca(ClO)2が生成できる。ちなみにさらし粉の化学式はCaCl(OCl)

炭酸カルシウムCaCO3を加熱し、酸化カルシウムCaOを生成する。

CaCO3 → CaO + CO2

酸化カルシウムCaOと水H2Oを反応させ、水酸化カルシウムCa(OH)2を生成する。

CaO + H2O → Ca(OH)2 

水酸化カルシウムCa(OH)2と塩素Cl2を反応させ、高度さらし粉Ca(ClO)2を生成する。

Ca(OH)2 + Cl2  → Ca(ClO)2 + H2

さらし粉

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無機物質の利用方法-空気-

空気の利用

空気からは酸素O2、窒素N2、アンモニアNH3、尿素CO(NH2)2、硝酸HNO3、ニトログリセリンC3H5(ONO2)3が生成できる。

酸素O2の製法

空気を液体にし、分留して酸素O2を取り出す。

窒素N2の製法

空気を液体にし、分留して窒素N2を取り出す。 

アンモニアNH3の製法(ハーバー・ボッシュ法)

空気を液体にし分留して取り出した窒素N2と水素H2を反応させ、アンモニアNH3を生成する。このアンモニア製法をハーバー・ボッシュ法と呼ぶ。

N2 + 3H2 → 2NH3

アンモニア
アンモニア水溶液http://aquagreen.main.jp/

尿素CO(NH2)2の製法

アンモニアNH3と二酸化炭素CO2を反応させ、尿素CO(NH2)2を生成する。

2NH3 + CO2 → CO(NH2)2 + H2O

尿素

硝酸HNO3の製法

ハーバー・ボッシュ法によって生成したアンモニアNH3とO2を反応させ、硝酸HNO3を生成する。この製法をオストワルト法と呼ぶ。

NH3 + 2O2 → HNO3 + H2O

硝酸

ニトログリセリンの製法

硝酸HNO3とグリセリンを反応させ、ニトログリセリンを生成する。
 

ニトログリセリン
 ニトログリセリンhttp://ameblo.jp/kagaku-nen/


イオン結晶の利用方法

塩化ナトリウムNaCl

所在・製法:海など
利用:調味料

NaCl

炭酸水素ナトリウムNaHCO3

所在・製法:NaCl水溶液とNH3、CO2を反応させる
利用:ベーキングパウダー、胃腸薬

炭酸水素ナトリウム

炭酸ナトリウムNa2CO3

所在・製法:NaHCO3を熱分解する
利用:ガラス原料

炭酸ナトリウム

水酸化ナトリウムNaOH

所在・製法:NaCl水溶液電気分解
利用:工業原料、石鹸原料、合成洗剤

NaOH

次亜塩素酸ナトリウムNaClO

所在・製法:NaOHとCl2を反応させる
利用:漂白剤、殺菌剤

NaClO

炭酸カルシウムCaCO3

所在・製法:石灰石、大理石、貝殻など
利用:石材、セメント、歯磨き粉

炭酸カルシウム

酸化カルシウムCaO

所在・製法:石灰石の熱分解
利用:乾燥剤、発熱剤

CaO

水酸化カルシウムCa(OH)2

所在・製法:CaOとH2Oを反応させる
利用:石灰水、漆喰

水酸化カルシウム

高度さらし粉Ca(ClO)2

所在・製法:Ca(OH)2とCl2の反応
利用:殺菌剤(プールなど)

さらし粉

塩化カルシウム CaCl2

所在・製法:CaCO3とHClを反応させる
利用: 乾燥剤、凍結防止剤

 塩化カルシウム

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共有結晶の利用方法

ダイヤモンドC

所在:天然
性質:極めて硬い
利用:宝石、研磨剤

ダイヤ

黒鉛C

所在:天然
性質:やわらかく、電気を通す
利用:電池の電極、鉛筆

二酸化ケイ素SiO2

所在:石英、水晶、ケイ砂
性質:かたい、融点が高い
利用:ガラス、光ファイバー

ケイ素Si

所在:SiO2から製造する
性質:半導体としての性質を持つ
利用: 半導体


分子からなる物質の利用方法

水素H2

製法

  1. 炭化水素を分解
  2. 水の電気分解
  3. 亜鉛と希硫酸を反応させる

利用

  1. 気球
  2. ロケット燃料
  3. 燃料電池

酸素O2

製法

  1. 液体空気の分留
  2. 水の電気分解
  3. 過酸化水素の分解(MnO2を触媒とする)

利用

  1. 医療用ガス
  2. ロケット燃料
  3. 燃料電池

窒素N2

製法

  1. 液体空気の分留
  2. NH4NO2水溶液の加熱

利用

  1. 冷却剤

二酸化炭素CO2

製法

  1. 石灰石の熱分解
  2. NaHCO3の熱分解
  3. CaCO3と希塩酸を反応させる

利用

  1. 炭酸飲料
  2. 冷却材

アンモニアNH3

製法

  1. 水素と窒素を反応させる(ハーバー・ボッシュ法)
  2. NH4ClとCa(OH)2の混合物を加熱

利用

  1. 冷却材
  2. 硝酸原料
  3. 窒素肥料原料

塩素Cl2

製法

  1. 食塩水の電気分解
  2. 高度さらし粉と塩酸を反応させる

利用

  1. 殺菌剤
  2. 殺虫剤

塩化水素HCl 

製法

  1. 水素と塩素を反応させる
  2. NaClに濃硫酸を加える

利用

  1. 塩酸
  2. トイレ用洗剤 

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金属の利用方法

鉄Fe

鉄

鉱石:赤鉄鉱石Fe2O3、磁鉄鉱Fe3O4

Hematite-1
赤鉄鉱石Fe2O3https://ja.wikipedia.org/

Magnetite

性質:磁性がある。反応性が高い。

用途:磁石、ステンレス(鉄+クロム+ニッケル)などの合金、建築材料など幅広く利用。

アルミニウムAl

Al

鉱石:ボーキサイトAl2O3・nH2O

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ボーキサイトAl2O3・nH2Ohttps://ja.wikipedia.org/

性質:空気中は酸化皮膜を作り反応しなくなるが、本来は反応性に富む。密度が小さい。両性元素である。
用途:建築材料、ジュラルミン(アルミニウム+銅+マグネシウム)などの合金、1円硬貨。

ジュラルミン
ジュラルミン製ケースhttp://i.eat-tec.jp/

銅Cu

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鉱石:黄銅鉱CuFeS2

性質:赤みを帯びている。展性、延性、電導性、熱伝導性に富む。
用途:電線、青銅(銅+スズ+亜鉛)、黄銅(銅+亜鉛)、白銅(銅+ニッケル)などの合金。

250px-10JPY

250px-5JPY

250px-100JPY

亜鉛Zn

亜鉛

鉱石:閃亜鉛鉱ZnS

閃亜鉛鉱

性質:青みを帯びた銀白色。両性元素である。
用途:乾電池、トタン、黄銅などの合金。

銀Ag

銀

性質:金属の中で電気・熱の伝導性が最も高い。
用途:装飾品、食器など。

水銀Hg

水銀

性質:唯一常温で液体の金属である。
用途:温度計、蛍光灯。

チタンTi

チタン

性質:密度が小さい。高融点、高強度。耐食性が高い。
用途:自転車・メガネのフレームなど。

クロムCr

クロム

性質:高融点、耐食性、耐摩耗性に富む。
用途:クロムメッキ、ニクロム(ニッケル+クロム)などの合金。

ニクロム

マンガンMn

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性質:鉄よりも固く、反応性も高い。
用途:マンガン銅などの合金。

ニッケルNi

ニッケル

性質:鉄に似ており、磁性を持つ。
用途:ニッケルメッキ、合金など。

リチウムLi 

Lithium_paraffin

性質:最も密度が小さい金属である。反応性が非常に高い。
用途: リチウム電池、リチウムイオン電池など。


合金

合金とは2種類以上の金属から構成されている金属である。混ぜる金属の種類、割合によって性質が異なる。合金と言っても様々な状態があり、完全に溶け込んでいる状態、結晶レベルでは成分の金属がそれぞれ独立している状態、原子のレベルで一定割合で結合した状態などがある。

ステンレス鋼(Fe・Cr・Ni)

ステンレス
用途:包丁・流し台などhttp://www.houcyoya.com/

ジェラルミン(Al・Cu・Mg・Mn)

ジュラルミン
用途:航空機http://skyshipz.com/

黄銅(Cu・Zn)

250px-5JPY
用途:楽器・五円玉https://ja.wikipedia.org/

青銅(Cu・Sn)

SaigoTakamori1332

白銅(Cu・Ni)

250px-100JPY
用途:100円硬貨https://ja.wikipedia.org/wiki/

ニクロム(Ni・Cr)

ニクロム
用途:電熱器http://item.rakuten.co.jp/

マンガン鋼(Fe・Mn)

マンガン鋼
用途:船・橋・線路などの材料http://library.jsce.or.jp/

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有機化合物の利用方法

有機化合物とは

炭素原子を骨格とした化合物を有機化合物と呼ぶ。簡単な構造である単量体(モノマー)が非常に多数結合した重合体(ポリマー)などの高分子化合物 も有機化合物に含まれる。

PVC-polymerisation-2D
塩化ビニルCH2=CHCl(モノマー)が付加重合したものがポリ塩化ビニルhttps://ja.wikipedia.org/

天然に存在するデンプン、セルロース、タンパク質などの高分子化合物は天然高分子化合物と呼ぶ。一方、科学工業品であるポリエチレン、ポリエチレンテレフタレートなどの高分子化合物は合成高分子化合物と呼ぶ。

メタン

用途:都市ガス、燃料電池

メタン

エチレン

用途:化学工業の原料。 ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタラートなどが作られる。

エチレン

エタノール

用途:消毒液、酒、燃料
 

エタノール

酢酸

用途:調味料
 

お酢

ポリエチレン(PE)

用途:レジ袋、容器

ポリエチレン

ポリ塩化ビニル(PVC)

用途:パイプ

塩ビ

ポリエチレンテレフタレート(PET)

用途:ペットボトル 

ペットボトル

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