WindowsでFFmpegを構築する方法(詳細解説)
FFmpegをWindowsで使用するには、公式バイナリのダウンロード、環境変数の設定、動作確認が必要です。本章では、初心者でも迷わないように、ステップごとに詳しく解説します。
1. FFmpegのダウンロードとインストール
1-1. 公式サイトからダウンロード
まず、FFmpegのWindows向け公式バイナリを取得します。
手順
- FFmpeg公式ダウンロードページ にアクセス
- 「Get packages & executable files」 → 「Windows」 → 「Windows builds by Gyan.dev」を選択
- 「git master builds」をクリック
- 最新の
ffmpeg-master-latest-win64-gpl.zip
をダウンロード
2. FFmpegの解凍と配置
ダウンロードしたZIPファイルを適切な場所に展開し、FFmpegの実行ファイルを配置します。
2-1. ZIPの展開
- ダウンロードした
ffmpeg-master-latest-win64-gpl.zip
を右クリックし、「すべて展開」を選択 - 任意のフォルダ(例:
C:\ffmpeg
)に展開
2-2. フォルダ構成の確認
展開後のフォルダ構成は以下のようになります:
C:\ffmpeg\
│── bin\ ← FFmpegの実行ファイル
│── doc\ ← ドキュメント
│── presets\ ← プリセット設定
│── README.txt ← 説明ファイル
特に bin
フォルダ内に ffmpeg.exe
、ffprobe.exe
、ffplay.exe
が含まれていることを確認してください。
3. 環境変数の設定
FFmpegをどこからでも実行できるようにするため、PATH
に C:\ffmpeg\bin
を追加します。
3-1. 環境変数を追加
- Windowsキー + R を押し、「
sysdm.cpl
」と入力してEnter - 「詳細設定」タブを開く
- 「環境変数」をクリック
- 「システム環境変数」の「Path」を選択し、「編集」をクリック
- 「新規」をクリックし、以下を追加
C:\ffmpeg\bin
- 「OK」を押して閉じる
3-2. 設定が適用されたか確認
コマンドプロンプト(cmd
)を開き、以下を実行
ffmpeg -version
バージョン情報が表示されれば設定完了です。
4. FFmpegの動作確認
4-1. コーデック一覧を表示
ffmpeg -codecs
サポートされているコーデックの一覧が表示されます。
4-2. フォーマット一覧を確認
ffmpeg -formats
使用可能なフォーマットを確認できます。
4-3. FFmpegのGUIツールを導入(任意)
FFmpegはコマンドラインツールですが、GUIを使いたい場合は以下のツールが便利です。
- FFmpeg Batch Converter:バッチ処理が可能
- Shutter Encoder:シンプルなGUI変換ツール
5. FFmpegの更新方法(定期的なメンテナンス)
FFmpegは定期的に更新されるため、最新バージョンを維持するのが望ましいです。
5-1. 既存のFFmpegを削除
C:\ffmpeg
フォルダを削除- 環境変数の
Path
からC:\ffmpeg\bin
を削除(不要な場合)
5-2. 最新版を再インストール
- FFmpeg公式サイト から最新版をダウンロード
- ZIPを展開し、
C:\ffmpeg
に配置 - 環境変数の
Path
を確認
これで常に最新のFFmpegを利用できます。
1. FFmpegのWindows環境構築手順
FFmpegのWindows環境構築手順を詳しく解説しました。
- 公式サイトからFFmpegをダウンロード
C:\ffmpeg
に展開し、環境変数を設定- コマンドプロンプトで動作確認
- 定期的に更新して最新の状態を維持
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FFmpegを活用したWindowsでのコーデック確認・変換・修復・自動化ガイド
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2. 動画や音声のコーデックを確認したい
2-1. 動画のコーデック情報を調べる
ffmpeg -i input.mp4
または
ffprobe -v error -select_streams v:0 -show_entries stream=codec_name -of default=noprint_wrappers=1 input.mp4
これにより、動画のコーデック情報が取得できます。
2-2. 音声コーデックのみを取得する
ffprobe -v error -select_streams a:0 -show_entries stream=codec_name -of default=noprint_wrappers=1 input.mp4
2-3. 字幕ストリームを確認する
ffprobe -i input.mp4 -show_streams | grep codec_name
字幕が含まれているか確認できます。
3. 動画・音声の形式を変換したい
3-1. 映像コーデックをH.264からH.265に変換
ffmpeg -i input.mp4 -c:v libx265 -c:a copy output.mp4
動画の品質を保ったまま、H.265に変換できます。
3-2. 音声コーデックをAACからMP3に変換
ffmpeg -i input.mp4 -c:v copy -c:a libmp3lame output.mp4
3-3. 映像・音声をコピーしてエンコードを最小限にする
ffmpeg -i input.mp4 -c copy output.mp4
変換を最小限に抑えて、素早く処理できます。
4. 音声が出ない・再生できない動画を修正したい
4-1. MP4の音声が流れない場合の対処法
以下のコマンドで音声の再エンコードを試します:
ffmpeg -i input.mp4 -c:v copy -c:a aac output.mp4
音声コーデックが非対応の場合に有効です。
4-2. 動画の再生速度や音ズレを修正
ffmpeg -i input.mp4 -itsoffset 0.5 -i input.mp4 -map 0:v -map 1:a -c copy output.mp4
音ズレを修正できます。
4-3. MP4のインデックスを再構築
ffmpeg -i input.mp4 -c copy -movflags faststart output.mp4
ファイルのインデックスを修正し、ストリーミングしやすくします。
5. 大量の動画ファイルを処理したい
5-1. フォルダ内の動画をすべてスキャンし、コーデックを一覧表示
for %i in (*.mp4) do @ffprobe -v error -select_streams v:0 -show_entries stream=codec_name -of default=noprint_wrappers=1 "%i"
すべてのMP4ファイルのコーデックを確認できます。
5-2. バッチ処理でMP4を一括変換するPowerShellスクリプト
$files = Get-ChildItem "D:\MV\mp4_muzic" -Filter *.mp4
foreach ($file in $files) {
ffmpeg -i $file.FullName -c:v libx264 -c:a aac -b:a 192k ($file.DirectoryName + "\converted_" + $file.Name)
}
フォルダ内のすべての動画を変換するPowerShellスクリプトです。
まとめ
本記事では、FFmpegの基本的な使い方から、コーデックの確認、変換、修復、自動化までを詳しく解説しました。FFmpegを活用することで、動画や音声の処理を効率的に行うことができます。